「書き記すこと、旅を」2009年11月4日(水)

ウイークリー瞑想

 6週間近い日本での奉仕を終えて無事に孫の世話に来ている
妻のいるダラスに帰ってきました。家に戻る旅がまだ残っています
が、妻と孫に会えてホッとしています。義樹はシンガポール、マ
レーシア出張と言うことで、私たちは太平洋上ですれ違ったようで
す。その日本での最後の一週間ちょっとの旅を思い起こしていま
す。日替わりの多様な時をいただきました。

 次の日の礼拝のために最上川の隠れ家を出て、乗り放題のJR
を使って、山形新幹線で福島に出て、東北新幹線で仙台まで登り、
そこからさらに八戸に行きました。八戸からは特急で青函トンネル
と通過して函館に入り、そこからさらに特急で、全部で12時
間かかって札幌に入りました。札幌駅から地下鉄で発寒南という駅
で札幌西教会の沈牧師が迎えに来てくれました。夕方まで役員会が
あり、役員の方々と夕食をしましょうと言うことでした。

 食事のテーブルに一組のご夫妻がおられました。食事が始まって
隣におられたご主人に「あれはいつだったのでしょうかね」と伺い
ました。それだけで私の質問の意味を分かってくれました。10
年前のことでした。この教会の夫婦セミナーで奥様を「ひまわり」
と言われ、さらに「見下ろされているような気がする」と言われた
のです。当時はまだ信仰を持たれていなかったようですが、今はご
夫婦で奉仕されています。と言うことで食卓は花と木のたとえの復
習の時となりました。

 礼拝には北見から吉田ご夫妻が来てくださいました。教会は二つ
の礼拝を守り、沈牧師をリーダーに新しい進展に向かっています。
夕礼拝を竹本牧師の希望の丘教会で持ちました。「父の功罪、母の
恵み」ということで、父親のことを中心に語りました。その前に
「雄羊の会」という男性だけの会で夕食の時を持ったときに父親と
してのアブラハムのことを分かち合いました。

 月曜の朝に早朝祈祷会に出席しました。朝飯を竹本牧師と一緒に
させていただいて、札幌からJRで秋田に入りました。石川宅
で同じ秋田出身で千葉の柏で伝道牧会されている佐々木牧師ご夫妻
と一緒になりました。豊かな夕食をいただきながら秋田での宣教師
たちの開拓の苦労話を聞くことができました。そんなこともあって
火曜の朝には前日に竹本牧師からいただいた『宣教師イヴァ・グ
ラースとこの時代』を仙台に向かう新幹線のなかで読むことになり
ました。

 仙台では鈴木牧師ご夫妻と昼食をいただいたあとに、表の私と裏
の私から、裏の私を訪ねて見いだす情景と、その到達点と言えるの
かどうか分からないのですが、心の核を映像化してみる作業をいた
しました。振り返りながら書き記すことで、分かち合うことはしま
せんでした。その夜最上川の隠れ家に戻ってから神学モノローグ
「アメリカ、アメリカ、アメリカ」の原稿を書きました。ともかく
書き記すことが大切なのだと思って書いてみました。

 水曜日は最上川沿いで農業を営みながら小説を書いている方が最
上川の舟下りに連れて行ってくれました。行く道中も山道を通りな
がらある村落を舞台にした小説を書いたことを話してくれました。
ともかく物語が出てくるというのです。舟下りは12キロを
1時間かけてゆっくりと下ります。水辺から真っ盛りの紅葉を見上げ
ることになります。山辺がそのまま河に下っている峡の間を最上川
は悠然と流れています。何とも贅沢な時をいただきました。

 木曜日には宇都宮の郊外のホームに99歳の大村晴雄先生を
訪ねました。すでに連絡をしていたのですが、待ってきてくれまし
た。いつものようにイラク戦争にでた義樹のことを尋ねてくれまし
た。最近もたれた聖書研究会のことをとてもうれしそうに話してく
れました。イザヤ書の15章にまで来ていると言うことです。
ヘーゲル研究会でイエナ時代のヘーゲルを読んでいると言うこと
で、論理の学のLogikをLogosにしたらそのまま「キリ
ストの学」になるという興味深い話をしてくださいました。失礼を
する前にいつものように「祈ってよ」と言うことで、お祈りをさせ
ていただきました。「アーメン」と信じられないほど大きな声で合
唱されました。年を取って信仰で生きる道をしっかり見せていただ
きました。

 金曜の朝に再度最上川の隠れ家から札幌に向かいました。その前
にすでに何人かの方に読んでいただいたモノローグを発信しまし
た。札幌の男性会が「雄羊会」と名付けていることもあって、その
まま『雄羊』という本を長い列車の旅で読みました。ジャック・デ
リダというアルジェリア出身のユダヤ人哲学者の書いたものです。
当然アブラハムがささげた雄羊です。彼の思想が日本人哲学者の高
橋哲哉にも影響しています。この人のインタビューが『ミニスト
リー』という新しい雑誌に登場していて、友人のフリーランス・ラ
イターの山川曉氏が送ってくれました。

 土曜の午後に北海道KGK卒業生会の「ファミリー交わり会」
で「夫婦の成長を楽しむ」ということで、夫婦で花と木でたとえる
ことから始まって、夫婦が互いに耳を傾けるべきことを作業のよう
にさせていただきました。卒業生会がすでに一つのファミリーと
なっていることを知りました。その後千歳飛行場で何とも北海道ら
しいみそラーメンをかけ込んで仙台まで飛びました。そこでなんと
シオン教会の坂本牧師ご夫妻が出迎えてくれました。

 最上川沿いで始まっている礼拝とシオン教会での礼拝を許されま
した。舟下りに連れて行ってくれた方も礼拝に集ってくれました。
昼を教会で用意してくれたサンドイッチを食べながらこの方の放浪
の人生物語を伺うことができました。そこで経験したことが今に生
きているようです。悔いはないが報いを受けていると言います。夕
食は隠れ家のご夫妻が4年間過ごされたネパールのカレーを
作ってくださいました。それしか言いようがないのですが、とても
印象的な味です。

 月曜の朝、年が明けての再会を期して、帰国の途につきました。
ダラスへの途中のシカゴの飛行場で瞳家族としばらくの時を過ごし
ました。ダラスではルイーズが迎えてくれました。義樹はすでに留
守でしたが、義樹の奥さんのお母さんも滞在中で賑やかな家族の中
に入りました。このようにして24時間以上の旅を無事に終え
ることができました。寒波に襲われた日本より温かいので体には楽です。

 書くこと、エクリチュールをデリダは哲学のテーマにしていま
す。書くことは言葉である方向に導きます。言葉が発せられたとき
の思いを無視して進むこともあります。時代のなかで作り出された
言葉でさらに別な方向に進むこともあります。そんな言葉の弊害を
乗り越えて、さかのぼって言葉の手前に届こうとしているようで
す。そんなこと思いながらこの一週間余のことを書いてみました。

上沼昌雄記
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“「書き記すこと、旅を」2009年11月4日(水)” への 2 件のフィードバック

  1.  はじめまして。そらまめと申します。広島県在住のプロテスタントのクリスチャンです。日本でのご奉仕お疲れ様でした。 BBN聖書放送で鈴木先生のお話を聴いている者ですが、そのお話の中で上沼先生のことに触れられていました。インターネットで調べたところ、「闇を住処とする私、やみを隠れ家とする神」の本を書かれていることを知りました。本を買って繰り返し読んでいます。もう一冊買って家内も読み始めました。むずかしいところもありますが、はっとしながら読んでいます。 これまで自分の心を見つめることは信仰的ではないと思ってきました。自分の心ではなくキリストを見つめることが信仰生活だと自分に言い聞かせてきました。しかし、お金、性、プライド、コントロール、父親の五つの面で男性として闇を抱えていること(P72~74)が特に印象に残り、自分の肉を直視し、自分の心に聴くことが神との会話につながることに納得しました。 聖書を知的に理解することだけでなく、後戻りをしてもそれがわたしのありのままの心であることを受け入れることが必要だとわかりました。ローマ書8章28節のみことばについて、すべてのことは、将来起こってくる自分を取り巻く外からの試練、困難だと思ってきましたが、自分自身がうめき苦しんできたことも神の御計画であること、そして、御計画のうちにすべてを益として下さることに今、心が照らされ励まされています。(P149~P151)自分の過去をそして自分の重荷を受け留めてこれから歩んでいこうと思い、心新たに心が軽くなりました。 これから寒くなりますが、お体に気をつけてお過ごし下さい。最後になりましたが、上沼先生の上に神様からのますますのご祝福をお祈り致します。

    1. そらまめさん 
      2009年11月10日付の投稿をいただきながら失礼をいたしました。お許しください。気づきませんでした。いただいたコメントを感謝いたします。同時にそらまめさんの霊的な戦いは自分自身の戦いでもあります。肉を持つものとしてこの地上にいる限り避けられないものです。それだけでしたら絶望ですが、そこに神の霊と御子キリストが備えられているのは全く救いです。少しでも心に光をいただければと願っています。光をいただけば闇ももっと鮮明になります。光をいただいているので闇をも見つめることができます。そらまめさんと奥様の歩みの上に祝福をお祈りいたします。
      感謝とともに。上沼昌雄 2011/04/12

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